やまぐち県酪農新工場稼動開始

山口県酪農農業協同組合 酪農部課長 原田康典

工場全景

 山口県においては、県内で生産される生乳の大半を過去50年にわたって、山口県酪農農業協同組合と防府酪農業協同組合で処理・販売をしてきた。その様な状況下で現実を見た時、将来県内に乳業プラントは無くなり生産された生乳を全て県外に移出しなければならない事態のおそれも出てきた。  
 幸い国の乳業再編整備対策事業が興され県内の4者が取り組むことになり、やまぐち県酪乳業株式会社を設立し、新工場が実現出来ることになった。
 会社の設立、事業申請、県費助成、建設用地の選定、資金調達と厚い壁ばかりであったが関係機関のご指導ご支援を頂いて、平成11年12月11日に起工式を行い工事に着手し、12年12月にはほぼ完成し一部操業を始めることとなった。

 順次果汁設備、ヨーグルト及びデザート設備を移設して防酪他の製品製造体制を整えて新年度からの乳業会社による操業に向けて準備を進めている段階である。


 新工場の概要は次のとおりである。

工場内
所在地 山口県豊浦郡菊川町田部夢団地1番
工場敷地面積 37,638u
建物面積 建物名称
面積
工場棟
12,155u
輸送事務所
255u
守衛室
37u
給水処理場
50u
ボイラー室
83u
廃水処理場
90u
合  計
12,670u

充填設備
 1) チルド充填   
  大型ビン充填機 4,000本/H
  小型ビン充填機 24,000本/H
  ゲーブルトップ充填機 6,000本/H×3
  スリムブリック充填機 7,000本/H
     〃   (果汁) 5,500本/H

 2) ヨーグルト充填
  カップ充填機 100g×10,000個/H(形状71口径)
  大型カップ充填機 500g×3,000個/H(形状88口径・大型)
  ゲーブルトップ充填機 2,000本/H

 3) デザート充填
  カップ充填機 75g×10,000個/H(形状71口径)

13年度能力(日量)
      生乳処理能力 150KL(日量)
      牛乳類生産能力 161KL(日量)
      果汁生産能力 33KL(日量)
      発酵乳生産能力 30KL(日量)
        ※1日6時間稼働にて想定


 13年度から本格的操業に入るならば西日本屈指の最新鋭乳業工場になることから、酪農家が良質乳の生産に努力すれば安定的な生乳供給先が確保され、安心して酪農経営に専念出来ることになる。一方多くの消費者の方に工場見学に来ていただき、安心・安全・良質な製品製造を目で直に確かめて愛用して貰いたいと考えている。
 この乳業工場が、県内の酪農振興に貢献できることと、県民消費者の付託に答えられるようにしたいものである。


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