山口県における高病原性鳥インフルエンザ発生に伴うこれまでの対応について
山口県畜産課 齋東 寛
1月12日、日本では79年ぶりという高病原性鳥インフルエンザが本県において発生しました。
しかし発生確認後、徹底した防疫措置を講じて関係者が全力で取り組んだ結果、発生農場以外に被害が拡大することなく、ウイルスのまん延を防止することができ、事態の終息を見ることが出来ました。
今回の発生確認までの経過と、制限解除に至る2月19日までの本県の対応について報告します。
なお、高病原性鳥インフルエンザはその後2例目、3例目の発生を見ており、本県でも引き続き防疫体制を維持し、県民の皆様の安全・安心の確保に努めています。
1 発生経過
月 日 |
対応状況 |
12月30日
〜
1月 8日 |
○12月28日より死亡鶏が認められ、管理獣医師の要請により立入調査実施。臨床症状は消化不良、血便等。
ニューカッスル病、伝染性気管支炎を否定。大腸菌を疑い、投薬を指示。
高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)検査に向け発育鶏卵を発注(1/6)。 |
1月 9日
〜
1月12日
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○立入調査実施。鶏、鶏卵等について移動の自粛、全鶏舎の消毒を指示、HPAIの検査開始。
○HPAIと診断。
○衛生管理課、島根県へ通報。
○本病発生を発表、県対策本部および現地対策本部を設置。 |
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2 発生農場での対応
月 日 |
対応状況 |
1月12日
〜1月15日
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○農場関係者への聞き取り調査開始。
○鶏舎内外の消毒。
○殺処分作業終了。 |
1月16日
〜
1月21日
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○死亡鶏、汚染物品の搬出準備(500kg土嚢袋への詰め込み)。
○死亡鶏及び汚染物品の埋却。
○鶏舎、鶏糞乾燥施設及び埋却場所の消毒。
○防疫措置終了。 |
1月28日
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○鶏舎、鶏糞乾燥施設を消毒。
その後、2月4日、8日、18日に実施。 |
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3 周辺農場等への対応
月 日 |
対応状況 |
1月12日
|
○各家畜保健所から電話、FAXにより市町村、畜産関係団体、養鶏農家へ本病発生について連絡。
○移動制限区域内の農家に対して鶏卵、生きた家きん、鶏糞等の移動禁止を指示。
○本農場から出荷された鶏卵の回収を指導。 |
1月13日〜
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○移動制限区域外から養鶏農家、鶏小羽数飼養者を対象に立入調査を開始。
本病に対する注意を喚起、鶏の健康状態を確認。
異常鶏確認時、早期に家保へ連絡、野鳥の侵入防止、車輌消毒等の指導実施。 |
1月14日
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○飼料会社・資料輸送業者を参集し、車輌消毒の実施について説明、車輌消毒について協力要請。 |
1月15日
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○移動制限区域の7ヵ所で車輌の消毒開始。
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1月18日
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○県内の採卵及びブロイラー経営農家の全戸の立入調査を終了し、異常鶏を認めなかった。以後、電話等により異常鶏の有無を毎日確認。
また、引き続き学校・施設、鶏小羽数飼養者等を立入調査を実施。 |
1月19日〜
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○消毒業務を委託し、移動制限区域の11ヵ所で車輌の消毒を実施。
移動制限解除まで継続。 |
2月5日〜
7日 |
○清浄性確認検査等のため採材開始。対象は移動制限区域内の20農場及び愛玩鶏等飼養者58戸。採材総数は1,450検体。 |
2月14日
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○ウイルス分離検査及び抗体検査終了。全検体の陰性を確認。
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2月19日
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○午前0時に移動制限解除。
○知事による安心宣言。
○県対策本部及び現地対策本部は解散。新たに山口県高病原性鳥インフルエンザ対策連絡会議を設置し防疫体制を維持。 |
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(参考)全戸立入検査の状況(3月8日時点) (単位:戸)
家保名 |
採卵鶏 |
ブロイラー |
小羽数 |
合 計 |
検査状況 |
東 部 |
13 |
11 |
447 |
471 |
異常なし |
中 部 |
21 |
7 |
1,212 |
1,240 |
異常なし |
西 部 |
25 |
23 |
434 |
482 |
異常なし |
北 部 |
5 |
1 |
195 |
201 |
異常なし |
合 計 |
64 |
42 |
2,288 |
2,394 |
− |
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詳細は山口県ホームページ「高病原性鳥インフルエンザ情報」内に掲載しています。
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