肉用牛の放牧による耕作放棄地対策研究会資料
平成13年8月28日山口県畜産試験場飼養技術部
1 放牧の方法
○ 放牧とは
・草地を直接家畜に利用させる飼養技術
○ 放牧に必要なもの
・牛・やぎ・ひつじ等(草)(草を食べる家畜)
・草地(牧草地、野草地、林地、水田等)
○ 実際に放牧で飼養するもの
・家畜の行動を制御するもの(電気牧柵、有刺鉄線等)
・水飲み施設
・衛生対策(殺ダニ剤の塗布)
○ 放牧牛の能力・役割
・牛は草を食べる習性があるため、放っておいても自分から草のあるところへいく、
高性能の自動草刈り機
・牛の糞は肥料となるため、自動肥料散布機
・牛は、草と穀物から牛肉と牛乳を作る食糧生産工場の役割
・草を食べることにより、日本の景観を良くする造園業者
・放牧風景は、人に癒しを与える動物園
・放牧地は、牛の食べれる草のあるところなら場所を選びません。
2 放牧施設の概要
○ 電気牧柵、電気柵の説明
・電気牧柵とは、牛の放牧地に電線を張り、これに電気を通す装置。
・牛が接触すると電流が流れてショックを受け、牛は電線に近づかなくなる。
・接触した時の瞬間電圧は、およそ4,000〜7,000Vで衝撃を与えるが、電流がほとんどないため感電はしない。
○ 放牧施設の槻要(経費は別紙参照)
・電気牧柵(電牧器、電線、ポスト、ハンドルゲート)
・給水施設(タンク、ホ←ス等)
・移動式捕獲器(重量305kg、金額102,200円)
3 放牧実施の留意点
○牧柵設置の留意点
・法面や斜面の上に牧柵を設置する場合、牛は牧柵から頭を出して外の草を食べたり、
また、牧柵に沿って歩く習性があります。このため、法面の上の平地に1m程度の
幅を設けると、牧柵外の草を食べる時に平面を移動するので法面が保護される。
・ダニの駆除(小型ピロブラズマ病予防)のため、殺ダニ剤を適時滴下する。
・放牧地で食べない草は、花が咲いたセイタカアワダチソウの茎、括れたススキの茎、
イバラ、ヤマゴボウ等があるので、刈り取りが必要となる。
4 放牧による糞の影響
・畜産試験場で実施した野草地への放牧において、牛の糞に含まれるアンモニア態窒素が土壌に影響するかを調査したところ、牛糞中で9.6mg/100gであったが、糞の直下の土壌は、他の土壌とほぼ変わらない水準であったため土壌への影響はほとんどないものと考えられた。
前提条件 放牧面積地:1ha(100m×100m) 放牧頭数:黒毛和種繁殖雌牛2頭 |
電気牧柵施設
品名 | 規格 | 数量 | 単価 | 金額 | 備考 |
電牧器 ソーラーパネル バッテリー 電牧柱 電牧線 ゲートハンドル 消費税 |
SB1500型 15wソーラーパネル 12V スプリングポールセット ポリワイヤー6P、400m |
1 1 1 100 1 1 |
37,000 76,000 5,000 390 7,000 600 5% |
37,000 76,000 5,000 39,000 7,000 600 8,230 |
北原電牧 北原電牧 ホームセンター 北原電牧 北原電牧 北原電牧 |
合計 | 172,000 |
給水施設(湧き水や、水路からの飲料水が確保できない場合)約10日分
品名 | 規格 | 数量 | 単価 | 金額 | 備考 |
給水タンク 配管セット コンテナ ポールタップ 足場パイプ クランプ コンパネ 消費税 |
ダイラントタンクYX500 塩ビパイプ等 200リットル 13 6m |
2 1 1 1 4 24 2 |
27,800 7,600 18,900 1,450 1,850 260 1,100 5% |
55,600 7,600 18,900 1,450 7,400 6,240 2,200 4,970 |
園芸店 園芸店 園芸店 建材店 建材店 建材店 建材店 |
合計 | 104,360 |
給水運搬用(トラックは別)
品名 | 規格 | 数量 | 単価 | 金額 | 備考 |
水中ポンプ 水中ポンプホース 給水タンク500g 消費税 |
エンジンポンプEA345KA 10m ダイライトタンク |
1 1 2 |
34,500 5,750 27,800 5% |
34,500 5,750 55,600 4,793 |
エスコ エスコ 園芸店 |
合計 | 100,645 |