山口県型放牧事例集(2)
山口県型放牧事例集

「海に囲まれた絶景の放牧場!」

豊北町角島 牧崎放牧場での放牧事例


1.角島の概要

牧崎放牧場での放牧の様子 角島は山口県最西端の海上1.5kmに位置し、北長門海岸国定公園に指定されている風光明媚な島です。総面積は411ha、人口1,212人、世帯数358戸で、農家数126戸、漁家数168戸の漁業と農業が主な産業の島です。農地面積は105haで、主な農産物は、肉用牛(繁殖)、米を中心に、たばこ、グリーンピース等であり、棚田、湿田等立地条件が厳しい中で営まれています。
 肉用牛は、「角島」の地名からもわかるとおり歴史が古く、放牧場、豊富な野草地の利用を主体に、最盛期には農家の半数以上が牛を飼っていました。現在は約5分の1の23戸で繁殖牛43頭が飼養されており、平成13年は子牛32頭の出荷で12,104千円の販売実績を上げました。これは角島地区農業粗生産額の約4割を占めています。

2.牧崎牧野の特色

 牧崎は、島の北東端に位置し、標高は20〜30m、平均傾斜地5度で、土性は粘土含有量の低い土壌です。古くから、繋牧として利用されていた野草地および一部山林総面積7ha(すべて町有地)を島の肉用牛振興基地として、昭和41〜42年度に小規模草地改良事業により造成し、今では周年放牧として利用されています。昭和55年にオーチャードグラス、ケンタッキー、クローバー等の混播により植生の更新を図りましたが、気候条件から現在は野シバがかなりの部分を占めています。

3.放牧場の経営概況

 管理は豊関農業協同組合が行い、牛の放牧頭数および健康状態の確認を毎日行っています。また、年1〜2回の肥培管理や牧柵の点検補修も実施しています。利用料は1日150円となっています。最盛期には14戸、35頭の利用状況でしたが、飼養農家の高年齢化に伴い現在は8頭程度に留まっています。しかし、平成12年11月に工事期間6年を費やした角島大橋(全長1,780m)が完成し、本土との車での行き来が可能となり、島のみならず本土からの放牧利用者も期待され、今後の放牧頭数の増加が見込まれています。

4 問い合わせ先

山口県豊浦郡豊北町角島1410-1 豊関農業協同組合角島支所
電話(0837)86-2087

5.放牧地の風景
角島大橋
角島大橋
放牧風景
放牧風景
島の牛飼い
島の牛飼い
子牛生産検査
子牛生産検査
親子で仲良く
親牛で仲良く
ちょっと一息
ちょっと一息
放牧風景
放牧風景
遠くにタンカーを望む放牧場
遠くにタンカーを望む

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