山口県型放牧事例集(1)
山口県型放牧事例集

山口県最大の山地畜産経営

防府市 ふるさと牧場の混牧林放牧の事例


1.経営者の横顔

山本さんと牛牧場主:山本喜行さん
 牛を飼い始めて10年。“中山間地域は条件不利地ではなく、条件有利地”を合い言葉に、防府市小野の山里で、山林や棚田を利用し肉用牛を増頭してきました。
 今では、「ふるさと牧場」の愛称で10haを越える山林に繁殖牛10頭を放牧し、植林地の下草刈りを牛にさせながら「混牧林経営」を実施しています。
 平成12年度には、(社)日本草地畜産協会の「低投入型肉用牛展示牧場」の指定を受け、県内外から多くの視察・研修を受け入れています。
 また、牧場は一般にも開放しており、四季折々にたくさんの市民の方々が訪れています。

2.経営の特色

 肉用牛は現在では、山本さんの経営の柱の一つとなっていますが、当初は、植林地を管理(下草刈り)させるための道具でした。
 牛を放牧したおかげで、林業施業の下草刈りという重労働から開放されると同時に、「こぶし」「つるあじさい」「ヤブ椿」などの花の咲く木が山に咲き始め、また、「はなしば」の群落も牛達が管理してくれ、朝市では品質が良いと好評を得ています。
 林地にある野草や下草、棚田で採れる稲わらや牧草などの粗飼料を最大限に利用し、飼料生産の負担の軽減・生産コストの低減を図りつつ、放牧(運動)により受胎率も良好です。
 “山林”と“牛”と“棚田”という資源を有機的に結びつけた「山本式混牧林経営」は、今後の中山間地域の農業・里山景観の保全に役立つ技術として高く評価されいます。

3.放牧面積

 自己所有の山林30haの内10ha、牛舎に隣接する棚田30aを放牧利用しています。
 山林の斜面及び平坦部3haにノシバを植え付け、シバ草地を造成中です。
 現在の放牧頭数は、黒毛和種繁殖牛が10頭です。

4.所在地

   〒747−0102  山口県防府市大字久兼410
      TEL0835−36−0337

5.放牧風景
ふるさと牧場の看板
ログハウスとこぶし
三田尻港・徳地線(県道184号)に設置している案内看板です。どうぞ見にきて下さい 。

山林の中腹にあるログハウス(牛舎)です。こぶしの花の下で市民との交流もしています。

フィールド学習の場として開放
棚田での放牧
学生さんのフィールド学習の場としても開放しています。 棚田でも放牧しています。
もちろん、お米も作っています。
植林地内で下草刈りをする牛
シバ草地造成中
牛は植林地内の下草を食べてくれます。下草刈りの作業が大変楽になりました。 山頂付近のなだらかな所にシバ草地を作っています。3年後にはきれいな緑のジュータンになっていることでしょう。

きいてーねへ事例集表紙へ前ページへ次ページへ