肥育管理のポイント

  1. 素牛の選定の目安
    • 月齢8〜10ヶ月齢の中で発育基準に達しているものをまず選び、次いで資質の良い牛であること、将来の肉牛として期待出来る牛。

  2. 肥育ステージ別の管理方法
    1. 導入直後から肥育前期の管理
      • 導入2〜3日経過後、良質粗飼料(乾草、良質稲ワラ)を十分に与えると共に、購入飼料(単味、自家配)高蛋白、低カロリーを徐々にならす。10日位で胃内微生物の対応ができたと判断したら、十分な粗飼料と共にDCP9.5%、TDN73.5%程度の配合飼料を4ヶ月制限給与させる。
      • ストレス解消に努めるため環境に特に注意し、疲労回復に重点をおく。
    2. 肥育中期の管理
      • 初期4ヶ月を経過すると、粗飼料と共にDCP9.5%、TDN73.5%程度の配合飼料を飽食(10ヶ月間)。
      • 肥育中期は飼料の喰いを良くするため、第1胃の充実が出来ることを最重点とし、健康な牛作りに重点をおく。
    3. 肥育後期の管理
      • 前半は粗飼料は飽食で行くが、肥育が進んでくると、出荷前4ヶ月程度から濃厚飼料給与量の7〜8%の粗飼料給与割合とする。濃厚飼料は飽食とし、肥育の度合を見ながら肥育後期は高カロリーとし、生体の老化現象と肉の枯れ″を促進する。
      • 肥育後期は如何に熟成させるかに重点をおく。

  3. 飼料給与の注意点
    • 肥育中期から仕上げまで粗飼料、濃厚飼料および水は牛が欲するだけ与え、いつも新鮮な状態であること。
    • 添加物・・・胃内微生物の活性化促進のため少量のミネラルを与えるだけで、抗菌、抗生剤の投与はすべきでない。

  4. 飼養管理上の注意点
    1. 反芻の観察
      • 反芻獣である牛の特質として、消化の過程で如何に反芻を多くさせるかにかかっている。と同時に、胃内微生物の活性を図ることがポイントである。牛は24時間のうち反芻に8時間以上を要している。
      • 濃厚飼料多給でPHが低くなるのを防ぐには、唾液を多く出させることであり、唾液はPHが8.0〜8.3位であるので反芻を十分にさせることが牛が健康に生きることでもある(唾液の量は80〜100リットル)。
      • 第1胃内容の約20%はバクテリアと原虫で占められている。この働きは、食物の繊維を分解して脂肪酸(主に酢酸、プロピオン酸、酪酸)を作り牛に利用される。この微生物の活力が失われると牛は生きられない。この働きが最も良好なPHは6.8〜7.0少なくとも6.5以上が必要。 従って反芻を如何に多くさせて胃内PHを正常に保つかということと、これに加え微生物の活性のため、微量要素ミネラルの添加が考えられる。
    2. 牛が寝る環境を
      • 牛床で牛が良く伏臥(寝)するように環境を良くすることである。床が不潔では伏臥してくれない。反芻は伏臥時に多くなることは明白である。
    3. 最後は愛情を如何に牛に与えることが出来るか。
      • 飼槽、給水器は我々の食器と考えれば、如何に清潔でなければならないかということが理解出来よう。

  5. ギブアンドテイク、先ず牛に幸福感を与えることにつきると言ってよい。

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