平成13年度優秀畜産表彰事業の推薦優良事例:[地域振興部門]農業生産法人 (有)鹿野ファーム


 

「地域にあり」「地域に融合し」「地域を支える」経営を目指して

農業生産法人 (有)鹿野ファーム

鹿野ファーム全景鹿野町は、四方を山に囲まれ、自然豊かで人情厚い町で、夏涼しく冬厳しく県内でも有数の積雪地帯にあります。このような地理条件のもと、後継者不足をはじめとする諸問題により、離農が進み農地の荒廃が進んでいます。
 鹿野ファームは、このような中、「地域に経営基盤を置き、地域との融和・地域を支える経営」を目指して、養豚一貫経営から肉用牛一貫経営を行う特色ある複合経営体として積極的な事業展開を図り、地域の有力な雇用力のある生産法人へと成長しています。

イベントの様子 当牧場は、また堆肥の利用による耕種農家との連携を主軸に、土地利用型複合畜産の推進と肉用牛部門では放牧も取り入れた、中山間農地の活用による自然景観の維持、そして、ハム、ソーセージ等の加工品製造販売を行っている。また、各種イベント等を利用して消費者へのピーアールにも努めています。

 畜産環境に対策については、役場、農協等と連携して、堆肥流通システムを利用した有機農業の推進と、肉用牛のための粗飼料生産に堆肥を利用し、循環型農業システムの確立に取り組んでいます。堆肥流通の図へ

 その他、今後農業を担うであろう若い研修生を積極的に受け入れて、有能な後継者の育成を行っています。

事業内容

養豚部門
ハイポー種豚 年間 3,500頭販売
   肉  豚 年間 6,500頭販売
肉用牛部門
繁殖牛 60頭 肥育牛 100頭を目標に増頭中
食肉加工部門
農場で生産された肉豚の加工 年間1,500頭
食肉の販売
グル-プで生産された食肉の販売 年間6,200頭
堆肥センタ-
良質堆肥を供給 年間1,500t



養豚部門

 質量とも安定した量産体制を確保するためハイポ−(合成豚)の導入種豚を造成し、肉豚も生産する一貫経営を行っている。豚者の作業は、全体の流れを1本化し、分娩から出荷までの作業を週単位の作業体系で管理し、各豚舎毎に作業内容を決めて、計画に基づいた作業を行っている。

区分

金土日


繁殖舎

交配

交配

ワクチン・交配

受入妊娠確認

飼養管理

分娩舎

導入

去勢

入墨・ワクチン

離乳子豚移動

飼養管理

子豚舎

移動

水洗

消毒・ワクチン

子豚受入

(交代休日)

育成舎

受入

ワクチン

水洗い

肉豚舎

出荷

受入出荷

(廃豚出荷)


 なお、1日の作業はタイムテーブルで決められており、8時作業開始、17時終了で、4週6休制の勤務体制となっています。

肉用牛部門

子牛育成の様子 黒毛和種の一貫経営で、当牧場では12年10月から、衛生面等で養豚のノウハウを活かした早期母子分離方式を導入した子牛の育成を行っています。

ほ場の様子 また、荒廃地の保全と農村景観形成を目的に飼料畑の造成を行い、粗飼料自給率 100%を目指している。その他、山林では林間放牧を取り入れて荒廃地の有効利用を図っている。

 肥育に関しては、月に1度、農林事務所、役場、関係機関による肥育指導が行われており、技術の向上にも努めている。

加工・流通部門

 「自分たちで生産した豚は自分たちで売ろう」という経営方針のもとに、平成元年より、手作りハム、ソーセージの製造販売を開始し、コープ等へ納入を行う独自の産直流通経路を築いています。また、加工品は、鹿野町の特産品としても注目を集め、平成6年には見学コースを備えた新工場を建設し、販売量を増やしています。現在は、ホームページを開設し、インターネットによる販売も行っています。 商品

後継者と研修生の育成

 鹿野ファームでは、畜産の発展には優秀な人材の育成が不可欠であると考え、積極的に、若い研修生の受入と育成を行っています。研修生は、県農業大学校出身者や県内畜産農家の子弟が主で、新規就農者の受入も行っています。

研修生たち


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