平成11年12月23日

12月23日(クリスマス・イブイブ)

 なんというご無沙汰でしょうか!「やる気ないんだろう?」と言われても反論もできません。そのくらい、お久しぶりです。

 さて、このエッセイという物、何が難しいかって、自分の精神状態に相当余裕がないと書けないものだったのです。おっきーもこう見えて(?)結構たいしたことないヤツでして、自分をコントロールするのがまだまだへたっぴーです。特に最近は考えてもしょうがないことで頻繁に悩むのが日常になりつつありまして、さえない23歳の冬を送っています。

 相変わらず酪農の手伝いと、FM局のDJを続けさせてもらっています。そうそう、夏から冬にかけて(つまりこのエッセイをすっかり封印していた間)いろんな仕事をさせてもらいました。先日10月31日に行われた和牛共進会では、司会アシスタントもさせていただきました。こちらはシナリオがばっちり用意されていて、仕事としてはとてもやりやすかったです。共進会というイベントに参加すること自体初めてでしたが、自分とこの牛と比べて(といっても、うちは乳牛ですが)なんてきれいに大切に育てられた牛だろうと感じました。それに、県内にもあんなにたくさんのパワフルな畜産家の人たちがいらっしゃったことに、自分の視野の狭さも実感させられました。私くらいの若い人にあまりお目にかかれなかったことはちょっと期待はずれで残念に思いましたが、たぶんどこかに紛れてらしたのだろうと思うことにしましょう。

 FMの方でもイベントはあり、ステージの上に立ってトークを台本どおりに進めて笑われたり、ゲストとして特番に出演させてもらったり、何種類か新しい仕事を経験しました。東京までライブを聞きにいくチャンスもあり、少しだけ放送業界よりの生活だったかなとも思います。でも、この業界で食べていこう、という決心はまだできずにいて、これからどっちに向かって歩いていきたいのかわからなくて、いいアイデアもうかんでこなくて毎日が過ぎていっている、そんな感じなのです。

 酪農の仕事がそろそろ嫌になってきて、放送の仕事に魅力を感じている、というのなら、引っ越したりして次の行動もおこせる性格のはずなんですが、そうすると何のためにせっかく2年間就職していた学校をやめてまで(しかもこんなご時世に…)実家に帰ってきたのやら、になってしまうわけです。「動物」、このキーワードが、今の自分に欠かせないひとつなのだということだけがわかるんです。あとはさっぱりわかりません。

 (と、ここまで書いた後、夜の搾乳作業をしてきました)

今日は、すっかり冬―、という気温の低さだったのですが、夜になって今年2頭目の乳牛のメスが生まれました。自家育成牛になる牛です。結構つるっと生まれたようです。「手伝え」と言われなかったので、安産だったのだろうと思います。生まれた子牛もまともで、去年のアカバネフィーバーを思えば、今年は大きなトラブルの少ない年だったと言えます。去年は本当に、予防注射の大切さを知った年でした。生まれる子牛はほとんどがアカバネ病と呼ばれる奇形の子牛で、関節がまがったまま歩けなかったり、出産時も、伸びて出てくるはずの足が曲がっているから考えられないほどの難産だったり、悲惨な年でした。その前の年は、親牛が何か伝染性の病気になって、バタバタと死んでいくのを見て、酪農を続けていくこと自体難しいかもしれないと、一時はあきらめそうになったという話も聞きました。酪農を続けていくことのリスクがどのくらいのものかは想像がつきませんが、2000年代はそのリスクが少しでも減らされて、業界全体が活発で明るいニュース満載になっていってくれればいいなと思います。

 というわけで、来年もこのコーナー、続いているといいなと思いつつ、今年はこのへんで。皆様が無事に新年を迎えられますようお祈り申し上げます。よいお年を…。

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