養豚経営管理技術について

特徴ある事例紹介をふまえての報告書
 わが国の養豚は昭和40年代以降、 飼養戸数は減少傾向で推移してきたものの、 規模拡大の進展により、 生産量は横這いないし増加傾向で推移してきた。 しかし平成2年を境に豚肉生産量が減少に転じるとともに、 近年の国際的な流通網の発展、 量飯店の販売シェアの拡大等々で、 その情勢が大きく変化している。

 本県の養豚事情は他県と同じく飼養戸数の減少と規模拡大が進んだが、 平成8年2月現在で60戸の34,200頭飼養と、 その頭数は、 漸減傾向にある。 その中で飼養規模が大型するほど環境汚染対策が重要な課題となっている。

 この現状を踏まえての今後の養豚振興は、 まず@生産コストの低減対策として経営・生産技術の向上と機械施設費等の低減。 A品質向上対策の推進として近年の豚肉消費の高度化、 多様化等に対応して高品質化を図る。 B環境保全対策を推進しながら、 糞尿を有機質資源として農地や草地等へ有効利用する。 C衛生対策として伝染病等の疾病発生対策が重要な課題である。

 以上の課題を重要対策として推進していく必要があることから、 今回は養豚経営管理技術の専門家である当会の非常勤畜産コンサルタント金矢正志氏に今後の養豚経営を実施するための心構えについて原稿をお願いし、 さらに県下の養豚飼養地域である三隅町の農家養豚と鹿野町の企業養豚で、 これらに努力している特徴ある経営事例を紹介することにした。 また、 環境汚染問題対策は畜産試験場にお願いしまとめたものである。

 この報告書が養豚振興に役立つものと期待したい。

 終わりにあたり原稿をお願いした関係者の方々に心から深甚なる謝意を表します。

   平成9年3月           社団法人  山 口 県 畜 産 会   


目        次

T 養豚経営の心構え 


 1. 日本の養豚の現況

 2. 養豚経営の基本的な心構え

 3. 養豚技術の発展方向

 4. 養豚経営安定のために

U 特徴ある取り組みの事例紹介 

1 養豚の管理技術について

 1. 概     況

 2. 経 営 の 概 況

 3. 管理技術の概要

 4. 管 理 目 標

 5. 管理のポイント

 6. 成     果

 7. 問題点と今後の方向づけ

2 生産性向上のための養豚管理

 1. 地 域 の 概 況

 2. 経 営 の 概 況

 3. 生 産 性 の 向 上

 4. 糞 尿 処 理

 5. 今 後 の 課 題

V バイオリアクターシステムによる豚の汚水処理について





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