山口県農林部畜産課 

 豚コレラは、 下痢、 発熱を主徴する急性の法定伝染病であり、 豚の病気の中でも最も恐れられています。 しかし、 しっかりと防疫体制を推進すれば、 撲滅が可能な疾病であり、 アメリカ合衆国やイギリスなどではすでに撲滅されています。 国内においては、 ワクチン接種など防疫体制が推進された結果、 山口県では昭和43年の発生を最後に、 また、 全国では平成4年の熊本県での発生を最後に発生は認められていません。

 国においては、 豚コレラの清浄化が進んできたことから、 平成12年度末をもってワクチン接種を全国的に中止することとし、 新たな防疫体制を計画しています。

 

1 新たな防疫対策

 従来、 豚コレラが発生した時には、 患畜及び疑似患畜は殺処分され、 その他の豚は緊急ワクチン接種が行われていました。

 しかし、 ワクチン接種の中止に伴い、 豚コレラが発生した農場では全頭の殺処分による防疫対策が行われます。 さらに、 豚コレラの拡大を防ぐため、 発生農場を中心に半径3km以内は防疫区域として、 40日間、 3〜10kmを監視区域として15日間の移動制限が設けられます。 この移動制限区域では、 防疫対策上、 淘汰が推進され徹底した豚コレラの封じ込めが行われます。

 

2 家畜防疫互助基金造成等支援事業

 ワクチン接種が中止された後に、 豚コレラが発生した場合、 患畜、 疑似患畜については従来通り家畜伝染病予防法により手当金が交付されます。

 しかし、 周辺地域の農場においては、 防疫対策上、 健康豚であっても淘汰されますが、 手当はありません。 そこで、 本事業により健康豚を淘汰した際の手当や経営再開のための支援に互助金を交付し、 養豚農家の経営支援をする事業です。

 この事業は、 平成10〜14年度の5年間で家畜畜産物衛生指導協会及び養豚農家が二分の一ずつ負担し、 全国規模の豚コレラ防疫対策のための基金が造成されます。

 

互助事業の仕組み

 

3 おわりに

 養豚農家の皆さんにおいては、 豚の病気の中でも一番恐れられている豚コレラのワクチンを接種しない状態での飼養管理となりますが、 万が一にも豚コレラが発生した場合に備え家畜防疫互助基金造成等支援事業への参加を願うと共に、 今後とも発生防止に向けての衛生対策には十分な注意をお願いします。

 なお、 家畜防疫互助基金造成等支援事業の詳細については、 山口県家畜畜産物衛生指導協会又は、 最寄りの家畜保健衛生所にお問い合わせください。


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